文書作成日:2026/09/22
従業員に時間外労働をさせる場合、その上限は限度時間である原則月45時間・年360時間となっており、臨時的な特別な事情があり労使が合意する場合は、特別条項を締結し適用することでこれを超えることができます。以下では、特別条項を適用する場合の注意点を確認します。
[1]労働基準監督署対応の見直し
9月1日より、時間外労働等に係る労働基準監督署の対応の見直しが行われました。内容は、時間外・休日労働時間数のみに着目して月45時間以内への削減を求める一律の指導を見直し、各事業場が36協定で定める健康及び福祉を確保するための措置(以下、「健康福祉確保措置」という)の実施状況を重点的に確認し、確認した状況に応じた必要な指導を行うこととされました。なお、個々の事業場の実態を踏まえて、過重労働による健康障害が生じるおそれが高い場合には、引き続き必要な指導を行うとしています。
[2]健康福祉確保措置の重要性
健康福祉確保措置とは、限度時間を超えて労働させる従業員に対して行う措置のことで、36協定の特別条項で定めています。
この措置の内容として、例えば「医師による面接指導の実施」と定めた場合は、医師の面接指導を実施し、実施したことが分かる記録を残しておく必要があります。
労働基準監督署ではこの実施状況を重点的に確認するとしていますので、確実に実施した記録を残しておくことが求められます。
[3]健康福祉確保措置の重要性
限度時間を超えて労働させる場合の手続きについても、36協定の特別条項で定めることになっています。この手続きは月45時間を超える場合だけでなく、年360時間を超える場合についても行う必要があります。
特に、年360時間については、月45時間を超えていなくても、1年間の途中で360時間を超える可能性があります。例えば時間外労働を毎月40時間した場合、9ヶ月で360時間に到達します。なお、限度時間を超えて労働させることができる回数は6回以内に限りますが、この6回のカウントは月45時間を超えた回数が対象となり、年360時間を超えた分は回数に含まれません。
毎年36協定を締結・届出しているものの、前年と同じ内容としている企業も多いように思いますが、改めて36協定の締結内容を確認し、その内容に基づいて対応が求められます。
※本文中の月45時間・年360時間は、対象期間が3ヶ月を超える1年単位の変形労働制を適用する場合、月42時間・年320時間となる。
■参考リンク
厚生労働省 働き方改革特設サイト「時間外労働の上限規制」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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